妙高演劇フェス 清水邦夫さん追悼 人間の業に迫る戯曲

 今年4月に84歳で亡くなった劇作家で妙高市出身の清水邦夫さんの戯曲が4、5日、同市文化ホールで上演された。

劇団空志童の公演。5人が芝居をした

 恒例となっている「妙高演劇フェスティバル」で行われ、アマチュアの4団体が順次出演。そのうち、清水さんの演劇ワークショップをきっかけに発足した劇団空志童(同ホール所属)は、『ぼくらは生まれ変わった木の葉のように』を上演した。

 1組の男女が乗った車が3人(夫、妻、妹)の暮らす家に突っ込むところから始まり、人間の業を描くもので、観客は芝居に引き込まれていた。

 演出を担当し、男役を演じた山田隆大さん(38、上越市)は「人間が持っている依存心なり、拒絶なり。分かりやすく伝わるように心掛けた」。

 妻役の長田栄子さん(66、妙高市)は「しのぶ気持ちと参加できた喜びで全力を尽くした」と話した。

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