日本時間12月9日はルール5ドラフト マイナーリーグ部門のみ開催

今年のルール5ドラフトは日本時間12月9日午前4時から行われる。ただし、労使交渉のもつれによるロックアウトのため、メジャーリーグ部門の指名は行われず、マイナーリーグ部門のみの開催となる。本来はウィンター・ミーティング最終日の日本時間12月10日に行われる予定だったが、ロックアウトの影響により1日前倒しの開催に変更。また、テレビ会議を使用してリモートで開催されることも決定している。なお、メジャーリーグ部門の指名は労使交渉成立後に改めて行われる可能性があるようだ。

ルール5ドラフトとは、簡単に言えば「他球団の戦力になりそうな選手を飼い殺しにしておくことを防ぐための制度」であり、各球団は一定の条件を満たした他球団の選手を獲得することができる(ただし、翌年のロースターに常に登録しなければならない、といった制約がある)。過去にはジョシュ・ハミルトンやホアキム・ソリアらがルール5ドラフトで他球団へ移籍し、オールスター選手へと成長した。

マイナーリーグ部門の指名も決して侮ることはできず、たとえば今季メジャー初先発でノーヒッターを達成したタイラー・ギルバート(ダイヤモンドバックス)は昨年のルール5ドラフトのマイナーリーグ部門でドジャースからダイヤモンドバックスに移籍した選手である。よって、ルール5ドラフトは各球団が他球団で埋もれている才能を発掘するための格好の機会となる。

ルール5ドラフトのマイナーリーグ部門では、一定の条件を満たした選手(18歳以下で入団して5年が経過、もしくは19歳以上で入団して4年が経過)のうち、他球団のAAA級のロースター38人に含まれていない選手を指名可能。ただし、ロースターがすでに38人で埋まっているチームには指名権がない。ロースターに空きがあるチームは38人に達するまで何度でも指名できる。

また、メジャーリーグ部門のように「特定の階級のロースターに登録しなければならない」といった制約もなく、移籍金2万4500ドルさえ支払えば、自軍のマイナーのどの階級にも送り込むことができる。マイナーの選手層に厚みを加えるための格好の機会であり、各球団のフロントオフィスの「眼力」が試されることになる。

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