「人を思いやる気持ちが平和を保つ」 岡さん生前の言葉 長崎純心大生2人、高校生に伝える

高校生にオンラインで講話する鍜治さん(右)と平山さん=長崎市、長崎純心大

 今年8月9日の平和祈念式典で、被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げ、11月に93歳で亡くなった岡信子さんの被爆体験を語り継ぐ「交流証言者」になることを目指している長崎純心大(長崎市三ツ山町)の学生2人が15日、東京の高校生に向けてオンラインで講話し、岡さんから伝えられた教訓などを語った。
 いずれも同大人文学部2年の鍜治美里さん(20)と平山英恵さん(20)。4月から10月まで岡さんから被爆体験などを聞いていた。2人が所属する学生平和団体の交流の一環として、コロナ禍で長崎に修学旅行に来られなくなった東京都立清瀬高と同大をオンラインで結んだ。
 鍜治さんは、当時16歳の看護学生として救護に当たった岡さんの被爆体験とともに、「どんな時でも人を思いやる気持ちがあれば平和は保たれる」と、岡さんが生前に残した言葉を高校生に語り掛けた。
 現在、2人は岡さんから聞き取った内容をそれぞれ原稿にまとめている。平山さんは「高校生は、岡さんの被爆当時と同年代で、きっと伝わったはず。前向きで芯の強さが印象的だった岡さんについて、被爆体験だけでなく人柄もしっかり伝えたい」と話した。


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