公衆機器を直接触れず操作 感染予防アプリ「カメレオン」開発 長崎大・小林教授ら

スマホでスマートロック解錠を実演する小林教授=長崎大文教キャンパス

 長崎大情報データ科学部の小林透教授の研究グループは16日、公衆機器のボタンやタッチパネルに直接触れず、自前のスマートフォンで操作できるアプリを開発したと発表した。新型コロナウイルスの接触感染を防ぐ上で有効なツールとして期待される。
 周囲の環境に合わせて体の色を変える動物にちなみ「カメレオン」と名付けた。近距離無線通信ブルートゥースを活用。アプリをインストールしたスマホを公衆機器に近づけると、その機器の操作画面がスマホに自動表示される。昨年、特許を出願した。
 16日、小林教授らが同大で、教員の部屋を検索するデジタルサイネージ(電子看板)のタッチパネルに手を触れずに実演。部屋に入る想定で、ドアのスマートロックにスマホをかざし、スマホの画面に暗証番号を入力して解錠した。
 来年から、学生の各種証明書発行装置などで利用を始める。小林教授によると、実社会で普及させるには、通信機能を備えた公衆機器を市中に増やす必要があり、解錠や金銭出し入れを伴う場合はセキュリティー確保も課題となる。
 小林教授は「ウィズコロナの時代、不特定多数の人が触れるタッチパネルなどは抵抗がある。まずは大学をショーケースとし、(このシステムを)世の中に広げていきたい」と語った。


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