【真鶴町長選】前町長の松本氏が3氏破り再選 名簿不正で辞職

再選し支援者らに感謝を述べる松本氏=19日午後10時10分ごろ、真鶴町の事務所

 真鶴町の選挙人名簿抄本を不正にコピーし、町長選に使用していたなどとして松本一彦前町長が辞職したことに伴う町長選は19日、投開票され、無所属で前町長の松本一彦氏(55)が、いずれも無所属で元町長の宇賀一章(69)、新人で元会社役員の大塚伸二(66)、新人で元町議の森敦彦(70)の3氏を破り、出直し選で2回目の当選を決めた。

 投票率は62.20%で、前回を9.58ポイント下回った。公選法の規定で、松本氏の任期は、辞職前と同じ2024年9月25日まで。

 昨年9月の町長選で初当選した松本氏は今年10月、町職員時代に名簿を不正にコピーして自らの町長選で利用していたことなどが発覚、11月に辞職に追い込まれていた。

 松本氏はその後、町民への謝罪のため町内を回るなかで、「多くの有権者から応援を受けた。自分自身も(町長として)道半ば」などとして出直し出馬を公示直前に決断した。

 選挙戦では町長給与の1年間ゼロも掲げるなど、「同じようなことが二度と起こらないよう信頼回復に努める」と訴えた。

 宇賀氏は松本氏への民事訴訟を検討するなど徹底的な真相解明を主張。大塚氏は町職員への法令順守教育の徹底、森氏も住所表記の変更による被害防止策を訴えたが、いずれも及ばなかった。

 当日有権者数は6288人(男2918人、女3370人)。

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