野球歴1年で神宮球場で本塁打、4時間かけ練習へ…見出された楽天Jr.の“逸材”

イーグルスジュニアの内記梨央くん【写真:川村虎大】

新潟・妙高市から片道4時間かけて仙台市まで練習に参加

身長171センチ、体重68キロの体躯。東北楽天イーグルスジュニアの内記梨央(ないき・りお)くんが放った打球は、とても小学6年生とは思えなかった。28日から神宮球場と横浜スタジアムで行われている小学生の軟式野球大会「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2021」。2試合で5打数2安打、1本塁打、3打点の活躍を見せたが、実は野球を始めてまだ1年と少しだという。

29日に神宮球場で行われた予選2試合目。相手は3連覇を狙う王者・東京ヤクルトスワローズジュニアだった。序盤は得点を奪えず、0-2と劣勢の展開だった。

反撃のチャンスは4回に訪れた。相手の暴投などで同点に追いつき、なおも1死二、三塁。打席に入った内記くんは「自分が決めてやろうと思いました」と、内角をうまくさばいて左前へ。2点適時打で逆転し、これが決勝点になった。

新潟・妙高市出身。小学4年生からソフトボールをはじめ、野球を始めたのは5年生になってから。イーグルスジュニアのセレクションも当初は受ける予定はなく、決して“野球エリート”ではない。

6月の県大会で大廣監督が一目ぼれ、セレクションを受けないかと提案した

転機となったのは、6月に行われた県大会。視察に来ていたイーグルスジュニアの大廣翔治監督が「まだ粗削りではあったが、身長もあって、スイングも速い」と“光る原石”に一目ぼれ。勧められて受験したセレクションで2打数2安打を放ち、見事合格を果たした。

10月からは毎週末に仙台市で行われる練習に参加。新潟からは車で片道4時間かかったが、毎週両親は嬉しそうに送迎をしてくれた。「親には感謝しないといけないです。結果出せたのも両親のおかげです」とはにかんだ。

28日の埼玉西武ライオンズジュニア戦では本塁打も放った。「まさか自分が神宮球場で本塁打なんて想像もしていなかった」と本音も。ただ、大廣監督も「予想以上に成長してくれた」と話すように、自らの自信になった。目標は楽天・浅村栄斗内野手。「どこにでも本塁打を打てるようになりたい」と憧れを持っている。体は大きくとも、中身は等身大の小学6年生。ジュニアチームで吸収した技術を武器に、これからも成長し続ける。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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