髙見大司教が退任 カトリック長崎 後任に中村氏

 カトリック長崎大司教区の髙見三明大司教(75)が退任し、後任に同教区の中村倫明補佐司教(59)が任命されたことが29日、関係者への取材で分かった。大司教の交代は18年ぶり。
 東京のローマ教皇庁大使館などによると、教皇フランシスコが28日、髙見氏の定年による退任願を受理し、後任に中村氏を任命したと明かしたという。中村氏の就任を祝う着座式は来年2月23日に長崎市の浦上天主堂であり、正式に交代する見通し。
 中村氏は1962年3月、現在の西海市生まれ。2019年5月に補佐司教に任命され、同9月、司教に叙階された。
 髙見氏は03年12月に長崎大司教に着座。在任中、江戸時代に殉教した188人を「福者」として宣言する列福式の長崎開催や、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録、教皇フランシスコの来崎などに携わった。核兵器廃絶や反戦平和も繰り返し訴えてきた。
 一方、昨年9月には大司教区の男性神父が教区資金を無断流用したとして謝罪。また、別の男性神父から性被害を受けた女性信徒が髙見氏の発言に精神的苦痛を受けたとして提訴し、判決の言い渡しが来年2月22日に長崎地裁で予定されている。

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