藤沢・江島神社で「八臂弁財天御尊像」公開 大規模修復終え半年ぶりに帰還

半年ぶりに江島神社に戻った八臂弁財天(右)=藤沢市

 江島神社(神奈川県藤沢市江の島)が所蔵する国指定重要文化財「八臂(はっぴ)弁財天御尊像」が大規模な修復を終え、京都市の美術院国宝修理所から同神社におよそ半年ぶりに戻った。

 八臂弁財天は鎌倉時代初期の作で、源頼朝が鎌倉に幕府を開くとき、奥州の藤原秀衡調伏祈願のため、文覚上人に命じて造らせたと歴史書「吾妻鏡」に記されている。鎌倉時代女神像の優れた作品として評価が高く、2019年、国指定重要文化財に指定された。

 今回の修復では、8本の腕(臂)に持つ剣、弓、矢などの位置の補修や台座の剝落の修理など詳細な修復作業が施された。同神社の堀嵜壮(ほりさきそう)・権禰宜(ごんねぎ)は「修復によってますます神々しさを増した八臂弁財天の姿をぜひご覧いただきたい」と話した。八臂弁財天は同神社奉安殿で拝観できる。

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