栃木県内でオミクロン株の市中感染者を初確認 帰省中の都内20代男性

オミクロン株の市中感染者の判明を受け、記者会見に臨む福田知事=5日夕、県庁

 福田富一(ふくだとみかず)知事は5日、臨時記者会見を開き、新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染者を新たに1人確認したと発表した。東京都在住の20代男性で、昨年末から栃木県に帰省中だった。海外への渡航歴はなく、県外での市中感染とみている。県内でオミクロン株の市中感染者が確認されるのは初めて。

 男性は帰省直後に喉の痛みが出たという。医療機関を受診して新型コロナの陽性が判明し、ゲノム解析の結果、同日にオミクロン株への感染が分かった。軽症で医療機関に入院している。家族の他に濃厚接触者はいない。ワクチンは未接種だった。

 家族に陽性者がおり、オミクロン株への感染の有無を調べている。いずれも不特定多数との接触はないという。県内でのオミクロン株の感染確認は計4人になった。

 また、ワクチンの3回目接種に向け、県営会場を増設すると発表。矢板市文化会館で29日、JR小山駅西口の商業施設「ロブレ」で31日にそれぞれ開設する。宇都宮市駒生町の「とちぎワクチン接種センター」と合わせ、約15万人分を想定している。

 4日に開始した全県民対象の無料検査は、同日に約70件を実施。国が承認した経口治療薬は、昨年12月29日時点で県内87薬局で約250人分を確保していることも明らかにした。

 今回初確認されたオミクロン株の市中感染について、福田知事は「帰省直後の発症であり、県内で市中感染が起きているという認識は持てない」とした上で、「現在は第6波の入り口で、第5波以上に加速度的に新規感染者が増加する可能性がある。ワクチンの接種とともに感染対策を徹底してほしい」と改めて呼び掛けた。

国立感染症研究所が分離した、新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(同研究所提供)

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