日本ボート協会 高校生発掘育成合宿に参加 坪森(大村)、経験を糧に

高校生対象の有望競技者発掘育成合宿に参加した坪森=本明川漕艇場

 日本ボート協会はこのほど、長崎県諫早市の本明川漕艇場で高校生対象の有望競技者発掘育成合宿を開いた。長崎県勢で唯一参加した男子の坪森省吾(大村2年)は「高いレベルで一緒に練習できて楽しかった。負けたら悔しいという気持ちも大きくなった」と刺激を受けていた。
 全国各地から選抜された男女各16人が集まり、4泊5日の日程で競い合った。坪森はボートを漕ぐ動作の運動量を距離換算する「エルゴメーター」の記録で全国3位の実績を誇る。だが、「エルゴでは勝っているのに、水上では負けることが多かった」。課題と痛感したのは「水上でのテクニックのなさ」。「キャッチをうまく入れられない。フィニッシュを最後まで押し切れない。速い選手は艇が止まらないけど、自分は結構止めてしまう。ロスが多い」。合宿を通して、足りない部分が明白になった。
 玖島中時代は軟式野球部の捕手。大村高でボートをしていた姉の姿を見て、高校からオールを握った。「エルゴのスコアが伸びたり、今まで出せなかったスピードを軽く出せるようになったりすると楽しい」と魅力にはまっていった。
 昨年3月の全国高校選抜大会かじ付き4人スカルでは、県勢初の銅メダル獲得に貢献した。「そこからもっと強くなりたいと思った。かじ付き4人スカルでインターハイ優勝」が新たな目標になった。そのために「みんなが一緒にうまくなっていくように活動してきた」。合宿の経験も糧にして、主将として背中で引っ張っていくつもりだ。
 1月の熊本合宿への参加も決まった。4月にはU-19の選考レースもある。「まだ時間がたくさんあるので、今から練習の質とかを積み上げていければ、狙えるなと思っている」。伸びしろ十分の逸材の目線がまた一つ上がった。

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