核軍縮進展 長崎・広島市長が動画で訴え NPT延期 首長会議HPに公開

平和首長会議のホームページで公開された田上市長のスピーチ動画

 開催延期した核拡散防止条約(NPT)再検討会議で上映予定だった田上富久長崎市長と松井一実広島市長のスピーチ動画が7日、平和首長会議のホームページで公開された。田上市長は被爆者の詩を引用し、核軍縮を進展させるよう訴えた。
 平和首長会議は松井市長が会長、田上市長が副会長を務める。動画は約4分50秒。英語でスピーチした。
 田上市長は、原爆で大けがを負い、家族を亡くした山口カズ子さんの詩を紹介し悲惨さを伝えた。その上で、国防だけでなく一人一人に配慮する「人間の安全保障」の視点で議論を深めるよう求めた。松井市長は「核兵器がもたらす重大な脅威を排除するため、具体的な対応を盛り込んだ最終文書の採択を期待する」と述べた。
 原稿は191カ国の全締約国政府などにメールで送付。長崎市平和推進課は「被爆地の思いに共感する人々の輪が広がり、再検討会議が開かれるまでに核軍縮の議論が進展することを期待したい」としている。
 5年に1度開くNPT再検討会議は4日に始まる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初予定の2020年春から4度目の延期となった。


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