長崎 反核9の日座り込み 矢嶋さん悼む 核禁条約発効1年控え 政府の姿勢批判

原爆投下時刻に黙とうする参加者=長崎市、平和公園

 核兵器廃絶を訴える「反核9の日座り込み」が9日、長崎市松山町の平和公園であった。被爆者や高校生ら約110人が、先月急逝した座り込みの提唱者、矢嶋良一さんを悼み黙とう。今月22日に核兵器禁止条約の発効から1年となるのを前に、条約に後ろ向きな日本政府の姿勢を強く批判した。
 3月には核兵器禁止条約の第1回締約国会議を控えており、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のノルウェーとドイツはオブザーバー参加を表明。一方、日本政府は当初から後ろ向きで、県平和運動センター被爆連議長の川野浩一さん(82)は「広島出身の首相に全く裏切られた。私たちは政治的な行動を進めていかないと」と訴えた。
 さらに、米中ロ英仏の核保有五大国が共同声明で「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」と表明したことについて「当たり前だ」と怒りの声を上げた。
 第24代高校生平和大使で県立長崎東高2年の安野由布里さん(17)は「自分たちの活動意義は人々の意識を変え仲間を増やしていくこと。矢嶋さんが亡くなり、思いを背負って引き継いでいかないといけない」と話した。
 同センターなどが主催し473回目。

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