米海軍佐世保基地 新たに32人がコロナ感染 夜間外出禁止令も

 長崎県の米海軍佐世保基地は11日、新たに同基地関係者(軍人、軍属など)32人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。同基地は感染経緯を明らかにしておらず、新変異株「オミクロン株」については「日本の米国施設ではゲノム検査ができず、米国へ送る必要がある」としている。同基地で判明している感染者数は計236人となった。
 感染者は回復するまで隔離されるという。同基地では昨年末から基地関係者の感染が拡大。陽性となった基地関係者と接触した基地従業員らの感染も判明している。
 在日米軍を巡っては日米両政府が9日、基地からの不要不急の外出を制限するとした共同声明を発表している。期間は10日からの14日間。米海軍佐世保基地によると制限期間中、軍の施設・区域外ではバーやクラブ、飲食店での食事などを禁止。病院の利用や食料品購入、食事のテークアウトなどは許可されている。さらに軍人(軍属や扶養家族などは除く)には午後10時から午前6時までの外出禁止令を出している。
 佐世保市は昨年末に国へ「濃厚接触者の待機」や「新変異株の検査」を米軍に要請するよう求めている。11日に開かれた市議会基地対策特別委員会では市がこうした経過を報告。委員からは「(自治体から米軍へ要請した場合に)現地の司令官レベルで聞き入れてもらえる事柄は何なのか。そこをきちんと精査し、取り組んでいく必要があるのではないか」といった指摘が出た。


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