300年以上前の“家宝” 日本刀を島原市に寄贈 代々鍛冶職人の赤星さん

古川市長(左)に刀身を見せる長男大輔さん=島原市役所

 刃物や農具などを製造販売する赤星鍛造工場(長崎県島原市)の代表、赤星由紀子さん(70)と、長男大輔さん(44)=東京都在住=が7日、300年以上前に造られたとされる家宝の日本刀を島原市に寄贈した。
 赤星家は、1669年に島原移封を命じられた藩主、松平忠房と共に京都から移り住んだ刀剣の名工・近江守源久道の高弟丹波守久一の流れをくむ家柄。代々、鍛冶職人として伝統の島原刃物を造り続けている。
 長さ72センチの日本刀には「丹波守藤原義寿」の銘があり、家宝として大切に保管されていたという。2015年に64歳で死去した由紀子さんの夫、元保さんの意向をくみ今回寄贈した。
 古川隆三郎市長は「貴重な史料。市民や観光客に見てもらえる方法で取り扱いたい」と謝辞を述べた。由紀子さんと大輔さんは「島原に残る鍛冶の伝統と歴史を残していきたい。市民に知ってもらうきっかけになれば」と話した。
 島原城天守閣(同市城内1丁目)では、9日から開催している新春恒例の刀剣展で、寄贈された日本刀も展示している。


© 株式会社長崎新聞社