「ミニ出島」全48棟お色直し 長崎工業高生が改修

作業に取りかかる長崎工業高の生徒=長崎市、出島和蘭商館跡

 長崎市岩屋町の県立長崎工業高建築科の3年生14人が14日、同市出島町の国指定史跡「出島和蘭商館跡」にある「ミニ出島」を改修し、雨風などで色あせ塗装が剥がれた全48棟の屋根や壁をはけで塗り、制作した窓や瓦を取り付けた。2012年度から続いた建物の改修はおおむね完了した。
 ミニ出島は1920年代の出島を15分の1サイズで復元しており、市が1976年に設置した。2000年度に市が改修したが、経年劣化により傷みが目立ってきたため、市が同校に協力を依頼。授業の一環で毎年3年生が改修している。
 生徒らは昨年9月から現地調査を進めてきた。破損した窓などの大きさを測り、校内で部品を制作。14日はアクリル板で作った窓を取り付け、外堀に瓦を付けて色を塗った。

模型の屋根塗装をする生徒

 改修を担う同校出島班の岩田真生(まさき)班長(18)は、新型コロナウイルスの影響で予定通り作業が進まない日もあったと明かし、「訪れた観光客がミニ出島を見て『出島はすごいな』と思ってもらえるだけでも改修のやりがいを感じる。多くの人に見てもらえるとうれしい」と語った。地面など劣化した箇所は残っており、同校は新年度も依頼を受け改修を続ける予定。


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