コロナ検査補助、保育・高齢者施設にも拡大 宇都宮市、PCRは5割

宇都宮市のビジネスPCR等検査支援事業

 【宇都宮】新型コロナウイルス感染症の急拡大を受け、市は19日、市内の企業や団体が従業員に実施するPCRなどの検査費用の補助対象を、高齢者施設や保育施設、学校などにも拡大することを決めた。20日実施分から適用する。市健康増進課は「早めに検知して感染拡大を防ぎたい」と活用を呼び掛けている。

 昨年1月に開始した「ビジネスPCR等検査支援事業」の一環。拡充するのは、医療・介護・福祉・保育・教育現場などで身体的接触が多い従業員らの検査。PCR検査は1人1回1万円、抗原定量検査は同5千円を上限に、費用の5割相当を補助する。

 市内では昨年末以降、19日までに保育施設や高齢者施設、高校、医療機関などで計6件のクラスター(感染者集団)が発生。市民の感染者数も連日最多を更新しており、19日には100人を超えた。

 佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「県外から持ち込まれたウイルスが教育や福祉、企業団体など、人と人との接触が多い場で広がり、さらに家庭に持ち込まれて家族内感染につながっている」などとして、補助対象の拡大を決めたという。

 感染の早期発見と社会経済活動の維持を図るため、これまでも県外・海外との往来や興行活動、県外からの来訪者に対応する従業員らの検査費用の5割または3割相当を補助してきた。本年度は12月末までに138事業者が利用し、2816件の検査が実施された。

 補助上限額は1事業者1年度当たり100万円としてきたが、オミクロン株などの変異株に対応するため、3月末まで150万円に引き上げることも決めた。

 (問)市健康増進課028.626.1128。

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