【25日】「まん延防止」長崎県内全域に 新型コロナ 感染者最多614人

左から25日発表の市町別感染者数、新型コロナウイルス感染者の入院状況(24日午後7時現在)

 長崎県などは25日、県内で新型コロナウイルス感染者が新たに614人確認されたと明らかにした。1日の感染者数としては最多を更新。中村法道知事は臨時記者会見を開き、長崎、佐世保両市に適用している「まん延防止等重点措置」の対象区域を26日から県内全域に拡大すると発表した。期間は2月13日まで。
 両市の飲食店に要請している午後8時までの営業時間短縮と酒類の終日提供禁止について、28日から両市以外の飲食店にも求める。全期間応じた場合、中小企業と個人事業主は過去の売上高に応じて1日当たり1店舗3万~10万円、大企業は上限20万円の協力金を支給する。対象は県全体で約7200店舗に上る。
 県は感染者数が多い両市には21日から重点措置を適用し、不要不急の外出自粛などを要請。県内全域での感染拡大を防ぐため当初から全21市町に適用すべきだったのではないかと会見で問われた知事は「ここまでの急拡大は予測していなかった」としつつ、「できるだけ制約をかけず経済活動を続けてもらうのが本来の在り方」と強調。強い制限は慎重に判断すべきとの考えを示した。
 県によると、病院や高齢者福祉施設でのクラスター(感染者集団)などで高齢者の感染が増加。それに伴い、肺炎の所見がある「中等症1」や酸素投与が必要な「中等症2」の患者が増え、24日には第6波初の重症者も確認され、現在2人いる。
 コロナ患者を受け入れる44の医療機関でも感染者や濃厚接触者が増加している。現時点で少なくとも20機関の医療従事者150人が休業。一般とコロナいずれの診療にも支障が生じている。県精神医療センター(大村市)でも感染者が確認され、救急患者の受け入れを民間病院に要請した。
 県は今月末までとしていた無料検査を2月末まで延長。県立中学・高校は準備が整い次第、分散・時差登校を実施する。


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