業務逼迫 80人態勢に増員 宇都宮市保健所 疫学調査も絞る

コロナ感染急拡大に伴い、保健所業務に当たる応援職員=25日午後、宇都宮市保健所(画像は一部は加工しています)

 新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、宇都宮市は25日、PCR検査や疫学調査、健康観察を担う市保健所に他部局から新たに14人を派遣し約80人態勢に拡充した。業務の逼迫(ひっぱく)で従来通りの疫学調査が難しくなったため、国の通知に基づき聞き取りを簡略化して対応している。

 市は応援職員として18日にも21人を投入しており、25日までに計35人となった。携帯電話も新たに数十台追加配備した。

 連日100人を超える新規感染者が確認される中、19日夜からは感染経路などを調べる積極的疫学調査の聞き取りを簡略化。従来は陽性判明14日前から1日ごとの行動歴を確認していたが、優先順位を付けて調査するよう求めた国の通知に従い、「同居家族や集団で行動したか」など感染を広げる可能性の高い範囲に絞った調査に切り替えた。

 第6波では容体が急変する事例は少ないが、自宅療養する無症状・軽症患者の健康観察で電話する回数は増えている。そのため電話による聞き取りではなく、専用アプリに体温や体調を記録するよう促している。市保健所は「陽性者の現状把握に努めているが、今後の医療体制への負荷も考えられる。市民などには感染予防対策を徹底してほしい」としている。

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