在日米軍の外出制限終了「早すぎる」 佐世保市民から不安の声

 在日米軍の外出制限終了を受け、米海軍基地を抱える佐世保市民からは、新型コロナウイルス感染拡大を不安視する声が上がった。朝長則男市長は31日、佐世保基地司令官に対し「(感染症対策で)地元との整合を維持してほしい」と長崎県や市に協力するよう要請する文書を提出、現時点で制限の延期は求めない考えを示した。
 基地近くの市中心部アーケード。男性会社員(54)は「終了は早すぎる」と指摘した。県内全域に「まん延防止等重点措置」が適用されており「(制限の)終了は、佐世保の感染者数が減少傾向になってからの方がよかったのでは」と今後の感染状況に気をもむ。
 同市内の自営業の女性(43)も「まだ基地内で感染者は出ているのに」と不安げ。ただ、「(同措置で)飲食店が閉まっているので、利用できないのは米軍関係者も同じ状況だ」と話した。
 一方、朝長市長は31日の定例記者会見で、24日にも佐世保基地司令官に協力を求める文書を提出したことを明らかにした。27日に回答があり、「基地内では感染症対策を厳格に実施している」「制限終了後も県や市の対策を順守する」といった趣旨が記されていたという。
 制限延長を求めないことについては、「米軍で決めることで、佐世保基地でどれだけのことを決めるかは知り得ていない」などと理由を説明した。
 佐世保基地は31日、フェイスブック上で外出制限が終了したことを発表。県内に同措置が適用されていることに言及し、県や市と同様の対策をとるよう呼び掛けた。


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