「奇妙な果実」歌い警官に追われるビリー 「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」本編映像

2月11日より劇場公開される、伝説のジャズシンガーとして知られるビリー・ホリデイとFBIの対決を描いた映画「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」から、本編映像が公開された。

公開された映像の舞台は、1947年、フィラデルフィアのアール劇場。満員の観客と多くの警官が並ぶ異様な会場には、緊張感が漂う。そこにビリー・ホリデイ(アンドラ・デイ)がステージに現れると、観客は大きな拍手と歓声を送る。「奇妙な果実」を求める声が飛ぶ中、ビリーは「奇妙な果実」を歌い始める。だがその瞬間、ビリーの歌を止めようと、警官たちが動き始める。歌い続けようとするビリーだったが、「逃げるぞ」とバンドメンバーに抱えられ、ステージを降ろされる。「私はこの歌を歌うのよ。邪魔しないで!」と、ビリーが激しく叫ぶ。

人種差別を告発する楽曲「奇妙な果実」が、いかに肌の色や身分の違いを越えて人々を魅了し、合衆国から危険視されていたかがわかるシーンとなっている。ビリー・ホリデイを演じたアンドラはその理由について、「彼女にはまるで磁石のように人を引きつける魅力がありました。そして、彼女はその力を利用して、アメリカの人種差別の恐ろしさ、リンチについて語ったのです。彼女には人々をひとつにまとめる力があり、当時の国の体制や(人種差別という)大衆文化に反駁したから、(当局が)あれほど怖がったのだと思います」「この歌に刺激されて、私たちには物事を前に進めさせる力が確かにあるのだと、どうか思い出してほしい」と語っている。

「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」は、人種差別を告発する楽曲「奇妙な果実」を大ヒットさせ、逮捕の脅しにも屈せずステージに立ち続けたビリー・ホリデイの短くも壮絶な人生を、FBIとの対決に焦点を当てて描いた作品。監督を務めるのは、「大統領の執事の涙」のリー・ダニエルズ。主演には、グラミー賞ノミネート歌手のアンドラ・デイ。映画初出演ながら、ビリーの名曲の数々を歌い上げ、ビリーのパワフルな生きざまを体現した演技を見せ、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど賞レースを席巻した。

【作品情報】
ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ
2022年2月11日(金)新宿ピカデリー他全国公開
配給:ギャガ
© 2021 BILLIE HOLIDAY FILMS, LLC.

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