長崎県再犯防止ネットワーク協 初会合 当事者の社会復帰 地域で支援、共生を

県再犯防止推進計画について意見を交わした協議会=県庁

 再犯者数を減らし犯罪全体の抑止を目指す長崎県再犯防止推進ネットワーク協議会(会長・大西真由美長崎大教授)は8日、県庁で初会合を開いた。司法や福祉、保健医療、自治体などの関係者が、連携しながら地域で共生する運動を進めることを話し合った。
 県は本年度から5カ年で再犯防止推進計画を進める。犯罪をし社会復帰した人の就労先の確保や福祉的な支援などに取り組み、2025年度末までに県内の刑法犯検挙者の再犯者数を714人以下(19年比20%減)にすることを成果指標に掲げている。
 協議会の委員16人は対面とオンラインで出席し、計画について意見を交わした。大西会長は犯罪をした人や薬物使用者、虐待の当事者などは「社会経済的な課題を抱え困っている人」という共通点があると指摘し、「困っている人への支援を通じ地域社会で隣人として関わる、共生するという観点で運動を進められればよいのでは」と呼び掛けた。司法や保健医療の各分野が合同で周知活動に取り組むことを提案した。
 県地域生活定着支援センターの大坪幸太郎所長は「地域の問題が解決できず事件となって表出する。課題は、市町がこの分野をあまり行政の問題と捉えていないこと」と語った。出席した市町の職員からは「保健分野が犯罪抑止につながると初めて気付いた」「互いにどんな制度があるのか勉強することが必要」などの意見が上がった。
 同協議会は計画の推進を目的に毎年度1回開く予定。

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