コロナ禍のバレンタイン商戦 県内本格化 「手渡し」より「発送」増 ごほうびチョコも

和の素材を生かした「ボンボンショコラ」=長崎市、加加阿伝来所

 バレンタインデー(14日)に向けた商戦が長崎県内の商業施設などで本格化した。新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置が県内全域に適用され人通りも少ない中で、手渡しより発送で贈る人が増えたり、自分用の「ごほうび」に購入したりするケースもある。
 メモリードグループのチョコレート会社「チョコレートハウス」が運営する加加阿(かかお)伝来所(長崎市諏訪町)は「和のボンボンショコラ」(1粒270円、25種類)が一押し。しょうゆやワサビ、あごだしなどの素材をチョコレート、生クリームと混ぜガナッシュにしてチョコレートで包んだ。3個から12個入りの箱に組み合わせて購入でき、中心価格帯は3千円ほど。
 同店では発送で贈る人が7、8割と、手渡しが主流だった新型コロナ禍前と比べ大幅に増えた。自分用に好みのチョコを買っていく女性も少なくないという。販売スタッフの大川未来さんは「(発送により)渡す相手の幅が広がった。受け取った人から新たに注文をもらうなど、商品PRにつながった」と前向きに語る。
 浜屋百貨店(同市浜町)は8階催事場で「ハマチョコ&スイーツフェスタ」を開催。チョコだけでなくバターサンド、広島名物もみじまんじゅうなど期間中に計約50店舗(一部入れ替えあり)が並ぶ。お薦めは横浜市の生チョコ専門店「シルスマリア」の16個入り詰め合わせ(1944円)など。
 会場スペースに余裕を持たせ通路幅を例年より2、3割拡大。担当者は「お客さま同士が距離を空け、落ち着いて買い物できる環境を整えた」とする。客単価は1800円ほどで、この機会に貴重な輸入品をまとめて買う人もいるという。

新型コロナ感染防止策として通路幅を広く確保しているバレンタイン催事場=長崎市、浜屋百貨店

 アミュプラザ長崎(長崎市尾上町)は1階から3階に特設会場を置く。英国のカカオブランド「ホテルショコラ」や「オカモト・シェ・ダムール」(雲仙市)など県内外の計7事業者が出店。担当者は「男性用コスメや財布など他の常設店でもプレゼント用品が売れ、施設全体に需要が波及する大切な時期。お客さまが大切な人や自身へ贈る行為を応援したい」と言う。
 みらい長崎ココウォーク(長崎市茂里町)2階の雑貨店「ハーズハー」は店舗前に期間限定売り場を設置。価格は400円から2千円台と手ごろで、キャラクターものや有名ホテルのシェフがレシピを監修した商品など約500種と幅広い。感染対策として昨年から試食はできないが、桑宮智美店長は「自粛が続き気持ちが沈みがちな今だからこそ、楽しいイベントの時期に笑顔になってほしい」と話した。


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