どうなる投票率? 長崎県知事選 コロナ、出足に影響も 期日前は前回上回る

知事選投票率の推移

 20日の投票日まで残すところ3日となった長崎県知事選。各陣営は勝敗に影響する投票率の行方にも気をもんでいる。前回は過去最低の36.03%を記録したが、今回の期日前投票は前回を上回るペースで推移。新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置も有権者の出足に影響を与えそうだ。
 14日夕、佐世保市中心部の繁華街。13日までの期限だった重点措置が3月6日まで延長され、居酒屋やスナックは軒並み休業。人通りもまばらで閑散としていた。
 飲食店を営む田﨑幸一さん(65)は県の要請に応じ午後8時までの時短営業を続けているが、「お客さんはほとんど来ない」とため息をつく。仕事のことで精いっぱいで、今回の知事選は過去数回と比べて「あまり関心がない」。逆に「すごく関心がある」と話すのはラウンジ経営の40代女性。都道府県でコロナ対策に違いがあり、知事の判断が生活に直接影響することを肌で感じてきた。「今回は注目している人が多いのでは」と話す。
 知事選の投票率は1951年の85.61%が最高。その後は上昇と下降を繰り返しながら、今回4選を目指す現職の中村法道候補(71)が初当選した2010年は60.08%を記録。中村氏と共産党系候補の一騎打ちとなった前々回14年と前回18年はいずれも過去最低を更新した。一方、今回の期日前投票は13日時点で有権者の6.72%が済ませ、前回同時期の4.3%を上回る。
 中村氏の選対関係者は「投票率にコロナの影響はあると思う。あまり関心がない人は外出を控えようとするかもしれない。無党派層がどう動くかがポイント」とみる。一方、新人で医師の大石賢吾候補(39)の陣営関係者は「今回は保守分裂となり、各人が後援会組織などに積極的に働き掛けている点では投票率は上がるだろう」と言う。新人で食品輸入販売会社社長の宮沢由彦候補(54)の選対幹部は「石木ダムなど県政の課題で他候補との差別化を図り、関心が高まっている手応えはある。40%台にはなるだろう」と期待する。いずれの陣営にも共通するのは「投票に行ってほしい」との願いだ。
 天気も投票率に影響する。気象庁によると、投票日の本県は晴れ時々くもりの予報。


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