カラス被害や高齢化問題に対応 特注のごみステーション設置 諫早・高来 法川自治会

新しいごみステーションを利用する住民=諫早市高来町(法川自治会提供)

 ごみ集積場のカラス被害などに長年悩んでいた長崎県諫早市高来町の法川自治会が、カラス被害や高齢化問題に対応した特注のごみステーションを設置した。
 法川地区には元々、高さ2メートル、幅4メートル、奥行き1.7メートルのごみステーションがあり、隣接する黒崎地区の一部住民と共同で利用していた。設置から約35年で利用世帯数は90戸に増加。収集日にはごみがあふれるようになり、カラス被害やごみ出しのマナー低下が問題になっていた。カラス対策として上から覆ったネットも雨天時は邪魔になり、上下方向に開閉する金属製のふたも「重い」と高齢者に不評だった。
 同自治会は昨年夏、どんなごみステーションが良いか会員にアンケートを実施。昨年11月、黒崎地区用と分け、法川地区60世帯が利用するごみステーションの制作を同市貝津町の溶融亜鉛めっき専門メーカー、有田工業に依頼した。
 昨年末に完成した特注のごみステーションは高さ2.2メートル、幅2.8メートル、奥行き1.9メートル。黒崎地区と分離したこともあり、大型連休などごみが集中する期間でも、余裕を持って収容できる大きさとなった。
 カラス対策として、壁の一部に目の細かいエキスパンドメタルを採用。つり扉式の扉は高齢者も片手で開閉できるのが特長で、入り口には小さなスロープを設け段差をなくした。溶融亜鉛めっきを施した鉄製でさびにくく、30年以上の耐久性が期待できるという。費用はコロナ禍で中止した自治会行事費や、予備費の貯蓄などを充てた。
 利用者は「傘を持ったまま中に入ってごみを置けるようになり、雨の日も苦でなくなった」「全体がきれいになり、マナーが改善した」と喜んでいる。
 同自治会の小川供孝会長(71)は「カラス被害や高齢化対策など、ごみ問題で悩んでいる自治会は多いはず。参考にしてもらえれば」と話した。

以前のごみ集積場。あふれたごみがカラスに荒らされていた(法川自治会提供)

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