3回目モデルナ低調 副反応など懸念か 栃木県内コロナワクチン予約

宇都宮市駒生町のとちぎ健康の森に設置した県営新型コロナウイルスワクチン接種会場

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種で、モデルナ製を使用する栃木県や市町の接種会場の予約枠に空きが目立っている。県が19日までに公表した予約状況によると、県営接種会場では4会場のうち3会場で予約率が5割に満たず、市町の接種会場でも低調だ。背景にはモデルナ製の副反応などを懸念する傾向がある。県は「追加接種の効果と副反応のリスクなどを正しく理解してもらい、積極的に接種を検討してほしい」と呼び掛けている。

 モデルナ製を使う県営接種会場の予約率は19~28日で62%。1万1700の接種枠に対し、4468の空きがある状況。会場別ではとちぎ健康の森(宇都宮市)は81%と高いが、ロブレ(小山市)は36%、ビバモール足利堀込は42%、矢板市文化会館は49%にとどまっている。

 市町ではファイザー製の接種会場を設ける18自治体のうち、予約率は17自治体が「おおむね100%」、1自治体が「75%以上」だった。一方、モデルナ製では17自治体のうち「おおむね100%」は10自治体で、6自治体が「75%以上」、1自治体は「50~74%」だった。

 10自治体が「50%以下」だった1月下旬よりは少しずつ増加しているものの、ファイザー製に比べ予約率は低いという。

 県内では1、2回目接種の約9割がファイザー製、約1割がモデルナ製。予約の低迷は、モデルナ製の強い副反応や、3回目に異なるメーカーのワクチンを打つ交互接種をためらう人が多いためとみられる。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は15日に開かれた全国知事会でワクチンの交互接種の安全性について周知を強化するよう国に要望した。18日の記者会見では「ファイザー製を待っていると接種時期が遅れる可能性がある」として、感染防止に向けた早期接種を訴えた。

ワクチンごとの市町接種会場 予約状況(8~15日接種分)

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