ATM現金引き出し手数料、年1万円の出費に?ネット銀行を利用した場合の手数料を解説

現在、キャッシュレス決済が進むことで、現金に触れる機会も少しずつ減ってきました。全国の各決済手段の導入状況は、「キャッシュレス決済実態調査アンケート」(経済産業省 2021年6月公表)によると

■クレジットカード決済 55%
■交通系電子マネー25%
■日交通系電子マネー25%
■コード決済 55%

いずれかのキャッシュレス決済を導入している事業所は、約70%になります。残り30%の事業所では、まだ対応をしていないのも事実です。

完全に現金を持たず、全て生活が出来るか?と言えば、現実はまだ少し無理があるかも知れません。どうしても自分の口座から現金を引き出す必要が出てきますが、その際に掛かる手数料は、年間でどのくらいかかっているでしょうか?

今回はネット銀行と大手都市銀行の、手数料無料サービスについてみていきましょう。


現金引き出し手数料はいくらかかってる?

全国どこにでもあるコンビニのATMは便利なので、ついつい使ってしまいませんか?

仮に、大手都市銀行に自分の口座がある場合を想定しましょう。

例えば、朝の通勤時、オフィスビルに入っているコンビニATMで、今週のお小遣いを引き出してからオフィスへ出社する習慣があったとします。コンビニATMからの引き出しは、平日・土日・時間帯などによって、110円~330円に設定されています。

8時45分より前の引き出しは、時間外手数料となり、通常の手数料より高めの設定されています。

月に4回、現金引き出しに手数料が発生しているとすると330円×4回=1,320円。それが習慣化していると、以下のようになります。

普段から意識的に自分の取引銀行のATMからしか引き出していないならば、問題はないかも知れません。ただ日頃からコンビニATMでの引き出しを行っている場合。1度の手数料にはどうしても無頓着になりがちで、習慣化している場合は、注意が必要です。

ネット銀行を活用すれば解決できるかも

各ネット銀行では、口座や運用残高などの条件を満たすことで、決められたランクが上がり、口座手数料を無料にする仕組みを設けています。いくつかの条件がいい銀行をみてみましょう。

楽天銀行

銀行取引で楽天ポイントが貯めることができたり、楽天証券との連携サービスが人気の楽天銀行。手数料回数が無料になるための「ハッピープログラム」などがあります。

例えば、給与受け取り口座を設定する、口座の残高など、特定の条件を満たせば「ハッピープログラム」のランクアップできます。日常の生活に上手に取り入れられれば、ストレスなしで「手数料無料」のメリットが受けられます。

基本的なコンビニATM出金手数料は、セブンイレブン220円/ローソン、ファミリーマート275円

また「ハッピープログラム」にエントリーすれば、口座残高に応じ、無料で手続きができる回数が設定されます。

100万円以上の口座残高がある場合

PayPay銀行

キャッシュレス決済の利用者が多いPayPayが展開する銀行サービス。

PayPay残高への入出金がいつでも、何回でも無料であることや、LINE PAYや、メルペイなどへの連携にも対応をしています。低金利の住宅ローンを検討する人も増えています。

基本的なコンビニATM出金手数料は、毎月1回目は0円。2回目以降は165円。3万円以上の引出しなら、何度でも0円

1回 3万円以上の引き出しの場合

新生銀行

利便性の高いネットバンクである新生銀行。 ATMの24時間365日稼動や、各手数料の無料化の先駆けとしても有名です。

例えば資産の一部、30万円くらいの運用資金を新生銀行に預け入れて、運用をすると、コンビニATMでの引出手数料が気にならないかもしれません。

基本的なコンビニATM出金手数料は110円

さらに「新生ステップアッププログラム」を上手に活用することによって、引き出し手数料を無料にできます。

【ステージアップ条件】
(1)外貨、投資信託、ロボアドバイザーなどへの積み立てを利用する
(2)円預金の残高を増やす ※円普通預金・パワー預金・2週間満期預金の月間平均残高が合計100万円以上の場合
(3)資産運用の残高を増やす ※外貨を中心とした資産運用。外貨普通預金・2週間満期外貨預金・外貨定期預金の月間平均残高が合計30万円以上の場合
(4)クレジットカードを申し込む&使う ※所定のクレジットカードを登録し、引き落とし金額が1円以上あること
(5)専用のプリペイドカードに月1万円以上チャージをする

ステージアップをした場合の手数料比較

その他の主要ネットバンクでは?

上記以外にも、主要なネットバンクでは以下のような手数料が無料になる条件が設定されています。

大手都市銀行口座の手数料を無料にする方法

例えば、勤務先の都合によって、給与受け取り口座を大手都市銀行に指定されるなど、ネット銀行の利用が難しい場合もあります。そんな時、大手都市銀行各社でも、コンビニATMからの引き出しが無料になる条件があるので、いくつかピックアップしてみました。


何気なく払っている出金手数料は、5年、10年の単位で考えれば、まさに塵も積もれば山となるお金です。浮いたお金を運用に回すなど、資産形成もできます。生活の中でかかっているお金の「仕組み」を見直し、自分にあった方法を見つけてみてください。

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