冷凍ギョーザ、“障害者の居場所”に 『させぼ餃子研究所』 24日オープン

ギョーザ作りに取り組む従業員=佐世保市、させぼ餃子研究所

 長崎県佐世保市で清掃業などを展開する会社「KOSEN」が、障害者らがつくった冷凍ギョーザを無人販売する店を24日、オープンする。ダウン症の娘を持つ中村耕司社長は、障害者に働く場所を提供したいと奔走している。
 店舗名は「させぼ餃子研究所」(同市勝富町)。従業員6人のうち、3人には障害がある。障害者の就業あっせんなどを行う「県北地域障害者就業・生活支援センター」(同市光町)から紹介を受けた。同センターには現在18~65歳の590人が登録しており、本年度就業した人は56人(1月末現在)。就業先としては清掃業や食品加工業が多い。
 中村社長はコロナ禍でテークアウトが浸透し、「冷凍ギョーザが来る」と予想。ギョーザ作りは作業が比較的容易ということもあり、同店開業を決意した。九州産の食材を使用し、平戸市の特産品「焼きアゴ」を使ったギョーザも近く発売する。今後はOEM(相手先ブランドによる生産)にも力を入れ、販路拡大を目指す。

「障害者に賃金を」と話す中村社長(左)=佐世保市、させぼ餃子研究所

 従業員の吉富浩平さん(36)は「働く場があることはやりがいにも通じる。食材加工はものづくりの楽しさを感じるし、今後も頑張りたい」と意気込む。中村社長は「障害者のよりどころとなるような職場にしたいし、『ここで働きたい』との逆オファーがくるような居場所にしたい」と話す。
 店頭販売の冷凍ギョーザは1袋36個入りで千円(税込み)。営業は平日のみで午前9時~午後5時まで。代金は店内のボックスに入れる仕組み。店舗前の冷凍自販機でも販売している。問い合わせは同店(電0956.59.8869)。


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