西都の文化 後世に 市民会館 ネット番組配信

西都市民会館が配信を始めたネット番組「継承」の一場面

 西都市民会館は本年度、市内在住の文化人の連続インタビュー番組「継承」を制作し、インターネット配信を始めた。同館館長でカウンターテナー歌手の米良美一さんが表現活動への思いなどを聞き出す内容で、同館は「芸術や芸能が好きな人以外の心にも響く、重みのある言葉を後世に伝えていきたい」としている。
 美術や音楽、芸能などさまざまな分野で活躍している市民の記録を映像で残そうと企画した。これまで画家の弥勒祐徳さん、西都市文化連盟会長で三味線歴50年の清野憲一さん、日本舞踊家の小波(さざなみ)秀豊(しゅうほう)さんとの対談を実施。15分程度の番組に編集し、昨年10月から、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開を始めた。
 番組では、自身も表現者である米良さんが、対談相手に共感しながら、活動を始めたきっかけや根底にある思いを質問。出演者は「伝統ってつくり変えながら守っている」(清野さん)「踊る時は自分も癒やされている」(小波さん)などと熱く語っている。
 同館は来年度以降もインタビューを実施し、定期的に番組を配信する予定。同館の福井宏征・統括責任者は「コロナ禍でイベント開催は困難になっているが、番組配信を通じ、文化施設に求められる役割を果たしていきたい」と話している。

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