「希望を失わないで」 ウクライナに平和を 野母崎でキッズゲルニカ

完成した壁画を背景に写真に納まる子どもたち=長崎市脇岬町

 ロシアのウクライナ侵攻に関し平和を祈るメッセージを発信しようと、長崎市の野母崎地区で5日、地域の子どもたちが大型絵画「キッズゲルニカ」を模した壁画の制作に取り組んだ。ウクライナ国旗の青と黄色をイメージし、青空の下に広がるヒマワリ畑を描いた。
 同市脇岬町の喫茶店「きまま焙煎(ばいせん)所」の菅原真希さん(37)が発案。菅原さんが運営する絵画教室に通う同市南部の小学生6人が取り組んだ。
 菅原さんからピカソの反戦壁画「ゲルニカ」について説明を受けた子どもたちは、ウクライナ侵攻について知っていることや長崎にも原子爆弾が投下されたことなどを語り合い、平和への祈りを込めた絵を描くことを決めた。菅原さんの母、吉田明子さん(66)の提案を受け、国旗を連想させるデザインにした。
 壁画は本物のゲルニカのサイズに近い高さ約2メートル、幅約8メートル。同店の外壁に描いた。子どもたちははけと筆を使って伸びやかにペンキを塗った。完成した絵を見て「ウクライナや世界中が平和になって、みんなにっこりになってほしい」「いろんな人に見てもらいたい」などと感想を語った。
 菅原さんは「ウクライナの子どもたちに、希望を失わないで生きてほしいと伝えたい。いつかウクライナか長崎で子どもたち同士がつながれれば」と語った。


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