崖地の変化、レーダー衛星がミリ単位で監視 川崎市とNEC、全国初の取り組み

高性能小型レーダー衛星「ASNARO-2」のイメージ画像(NEC提供)

 川崎市とNECは、レーダー衛星で市内の崖をミリ単位で観測し、変化があった場所の把握、土砂災害の未然防止につなげる全国初の取り組みを始める。近年の気候変動で災害が激甚化する中、2019年の台風15号、19号の際は市内でも崖崩れが発生した。NECと協定を結んだ福田紀彦市長は「超高性能なものを活用させていただき、本当にありがたい」と期待した。

 使用する衛星は、同社が開発・製造し、合成開口レーダー(SAR)を搭載した高性能小型レーダー衛星「ASNARO─2」と、海外の衛星2基だ。「ASNARO─2」は2018年に打ち上げられ、高度約500キロの軌道に位置し、マイクロ波を地表面に照射することで地表面をミリ単位の精度で可視化できる。

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