【国際女性デー】神奈川の市町村 政府目標「女性管理職30%」はゼロ

 神奈川県と県内33市町村で、課長級以上の管理職に占める女性の割合が30%を上回る自治体がないことが神奈川新聞社の調査で分かった。政府は指導的地位にある女性の割合を「2020年代早期に30%程度とする」と目標を掲げるが、依然として女性管理職の登用が進んでいない現状が浮き彫りとなった。

 調査は各自治体のデータ(2021年4月1日現在)を基に、一般行政職(教師や警察官などの専門職を除いた公務員)のうち、女性の職員、管理職の割合を算出した。

 調査によると、女性職員の割合が30%を超えたのは26自治体に上り、全体の7割強を占めた。茅ケ崎市(44.1%)と横浜市(42.1%)は40%を超えた。

 一方、女性管理職の割合は総じて低く、30%を超えた自治体はゼロだった。20%超は海老名(27.6%)、茅ケ崎(24.7%)、座間(23.9%)、相模原(20.4%)の4市にとどまった。県と20市町は10%台。10%に満たない自治体は9市町村に上り、2自治体は女性管理職がいなかった。

 女性を管理職に登用する際の課題として「仕事と私生活の両立が難しいと回答する女性職員が多い」「家事や育児、介護をしながらキャリア形成できる仕組みや風土がない」などの回答が多かった。また「長時間労働解消への取り組み」や「男性の育児休業取得率の伸び悩み」を指摘する自治体もあった。

 女性管理職を積極的に登用するための対策としては「女性職員に対するキャリアアップ支援」「ロールモデルの紹介」「女性職員のさまざまな職域への配置」などが多かった。一方「男性職員の育児休業の促進」「男性職員の家庭生活への参画」など性別を問わず家事や育児ができる環境の整備や、「時間外勤務の縮減など働き方の改革」といったワークライフバランスの改善を挙げる回答も複数あった。

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