大石知事「話し合いに向け調整したい」 石木ダム反対住民と面会

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石木ダム工事現場を訪れ、就任後初めて反対住民と面会する大石知事=川棚町

 大石賢吾知事が10日、長崎県東彼川棚町の石木ダム建設工事現場を訪れ、座り込みを続ける反対住民と初めて面会した。水没予定地に暮らす住民と知事の面会は、2019年9月に中村法道前知事が県庁で会って以来2年半ぶり。現地では14年7月以来7年8か月ぶりとなった。
 午前10時半、大石知事はダム本体予定地近くの座り込み現場に着くと、車を降りて住民らに駆け寄った。約30人を前に就任あいさつをし、「大変な思いをさせ心苦しく思う。一緒に解決できるよう話し合いに向け調整したい」と伝えた。
 面会は約4分間。住民の岩下和雄さん(74)が「工事を止めて話し合いを。私たちはいつでも応じる」と求めると、知事は「話し合いができるように調整したい」と応じた。岩下すみ子さん(73)は「(水没予定の)川原(こうばる)は本当にきれいなところ。ぜひ歩いてみて。私たちがなぜ頑張っているのかを見てほしい」と呼び掛け、知事は「見て回りたい」と答えた。
 終了後、知事は報道陣に「時間の都合であいさつだけになったが、あらためて対話の機会をつくりたい」と話した。住民側が求めている工事中断については「どういう形で話し合えるか検討したい」と述べるにとどめた。一方、岩下和雄さんは「前知事のように『工事と並行して』では困る」とくぎを刺す。
 石木ダムは1975年度に事業採択。土地収用法に基づき県が全用地の所有権を取得した後も13世帯が暮らす。県は2025年度完成を目指し、昨年9月に本体工事に着手した。
 早期完成を公約に掲げる大石知事は、家屋を強制撤去する行政代執行を「最後の手段」とし、対話での解決を目指す考え。就任会見で「できる限り早く現地を訪れたい」と話していた。
 県はこの日の午前中に限り、全工事を止めた。