「富津防災」事業化へ 雲仙・小浜―千々石間 国道57号の代替路

一般国道57号 富津防災

 長崎県雲仙市小浜町富津地区の防災対策などとして、小浜町と同市千々石町を結ぶ国道57号の代替路「富津防災」が新年度、新規事業化される見通しであることが11日分かった。関係者によると、事業区間は延長3.4キロ、事業費約220億円を想定。県や雲仙市が国に対して早期事業化を要望していた。
 関係者によると、3.4キロのうち1.8キロがトンネルになる。小浜町北野地区を起点に現在の国道57号から山手に入って県立小浜高の横を通り、途中トンネルを抜けて、千々石町木場地区が終点となる計画。
 両町を結ぶ幹線道路は国道57号しかなく、急な斜面地で見通しが悪いカーブが続く。特に富津地区は道路上の斜面に巨大な岩が多く点在。災害時の迂回(うかい)路の確保も困難なため、防災や交通安全面の対策が必要として、県と市が整備に必要な予算を確保するよう国に要望していた。
 国道57号は長崎市などから雲仙や小浜の温泉街に向かう主要な道路となっている。開通すれば、災害時の救援活動の円滑化や交通事故減少のほか、観光客の利便性向上なども期待される。
 新規事業化は国会の予算審議を経て正式決定する。


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