新型コロナ、長崎県内初感染から2年 変異株で感染急増 収束見えず経済に打撃

市町に加え大学なども新型コロナワクチンの接種会場を設置。2回目までのワクチン接種は一気に加速した=2021年7月13日、長崎市文教町、長崎大の接種会場

 新型コロナウイルスの感染者が長崎県内で初めて確認されて14日で丸2年になる。この1年で2回目までのワクチン接種は進んだが、新たな変異株が次々に出現。感染者数、死者数ともに爆発的に増えた。1月から続く流行第6波の出口は見えず、12日時点で陽性者は3万110人、感染した113人が亡くなった。
 昨年2月に医療従事者から始まったワクチン接種。高齢者への接種は5月の大型連休後に本格化した。市町をはじめ、企業、大学、県なども接種会場を設け、接種のペースは加速。10月中に県内の接種率は7割を超えた。ただ、ワクチンの発症予防効果は半年程度で低下するため、国や自治体は3回目接種を推進。県内では約3割が終えた。
 変異株の出現が流行に大きく影響した。県によると、第4波(4~6月、アルファ株)は約1550人、第5波(7~9月、デルタ株)は約2800人が感染。まだワクチン接種が進んでいなかった第4波では病床が逼迫(ひっぱく)し、医療崩壊の危機に陥った。
 今年1月にはオミクロン株がまん延。1日の感染者数が700人を超える日もあった。1月以降だけで感染者数は全体の約8割の約2万4千人に達し、感染力の強さをまざまざと見せつけた。
 本県にも「まん延防止等重点措置」が2度適用された。1回目は昨年8~9月。2回目は今年1月21日から長崎市と佐世保市、同26日には県内全域に拡大し、今月6日まで約6週間続いた。期間中、県は飲食店への営業時間短縮や酒類提供自粛を要請。感染拡大防止に一定の効果はあったとされるが、経済はまたも打撃を受けた。
 県は病床や宿泊療養施設を拡充。自宅療養者が増える中、医療機関と各保健所などが連携し、医療提供体制の維持を図る。


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