56年前に長崎市立茂木中の3年生247人(第19回生)が卒業記念としてブロック塀(高さ約2メートル、幅約7メートル)の両面に制作したレリーフが安全上の理由から解体、撤去された。茂木漁港や人生を表現した思い出の作品で、解体前に同窓生が母校を訪れ、青春時代を振り返った。
レリーフは当時の美術教諭だった坂田英夫さんが発案し、授業の一環で約1年掛けて少しずつ作った。坂田さんは現在、米国で画家として活躍している。
原画は生徒2人が考案。片面は茂木漁港の朝の風景で漁船や漁師、水揚げされる魚などを描いた。もう一面は「人生」をテーマにした心象風景で、担当した中本修身さん(71)は「人がつるはしを持って一生懸命に働き、休み、喜び、悩む姿など表現した」という。
3年生全員がブロック1個分を担当。セメントで立体的に造形し、ブロック塀に張り付けて完成させた。
レリーフはプールと道路沿いのフェンスの間にあり、少し傾いて倒壊の恐れがあり、市教委が16日から3日かけて解体した。
前日の15日、同窓生7人が母校に集まり、別れを惜しんだ。同窓会長の山口新吉さん(71)は「全員で力を合わせて作った。茂木の活気が伝わるレリーフが壊されるのは寂しい。発案してくれた坂田先生には感謝している」と話した。
56年前に制作 卒業記念のレリーフとお別れ 長崎・茂木中19回生
- Published
- 2022/03/22 12:30 (JST)
- Updated
- 2022/03/23 12:25 (JST)
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