「悲しい事件、もう二度と」 相模原・津久井やまゆり園に鎮魂の碑

新たに設置された鎮魂の碑=津久井やまゆり園

 「このようなとても悲しい事件を、もう二度と起こしてはなりません」─。2016年7月に入所者19人が殺害された神奈川県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の広場に、遺族有志が碑文を考えた「鎮魂の碑」が新設された。既設の献花台などと合わせ、鎮魂のモニュメントが完成した。設置後初の月命日となった26日、遺族や近隣住民らが献花に訪れ、手を合わせた。

 鎮魂の碑は幅約1.8メートルの扇形で、月命日に水で満たす皿形の「水鏡」や、犠牲者のうち7人の名前が記された献花台のそばに据えられた。「心 ともに生きる」と題し、「19人を忘れないでください」「助け合う社会のすばらしさ、大切さを、もう一度考えてみてください」と刻まれている。

 モニュメントを巡っては、県が20年9月に水鏡を中心とするデザイン案を発表。同10月に一部遺族が誓いの文などを加えるよう要請し、碑文の調整を続けていた。水鏡や献花台は昨年7月に先行公開されている。

 永井清光園長(52)は「事件を風化させないためにも、いろんな人に来てもらいたい。『共生社会をつくっていく』という発信は、園の役割としてずっと続けていく」と話した。

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