全国高校選抜大会 剣道男子 長崎南山が3位 26年ぶりメダル 「絆の強さ」武器に躍進

3位入賞を果たした男子の長崎南山=愛知県春日井市総合体育館

 全国高校選抜大会は28日、各地で9競技が行われ、長崎県勢は剣道男子の長崎南山が準決勝で九州学院(熊本)に敗れたが、1996年の第5回大会で優勝して以来、26年ぶりのメダル獲得となる3位入賞を果たした。
 長崎南山は3回戦でノースアジア大明桜(秋田)、準々決勝で福岡第一に、それぞれ1-0で競り勝って4強入り。準決勝は代表戦の末に惜敗した。29日は各地で5競技を実施する。
 26年ぶりの頂点には届かなかったが、手応えをつかめた春になった。剣道男子で長崎南山が3位入賞。九州学院(熊本)との準決勝は0-0から代表戦で敗れたが、白石監督は「堂々とよく攻めていい試合だった」と選手たちをたたえた。
 先鋒水口がチームを勢いづけた。琴平(香川)との初戦は「とにかく前に出た」と1分9秒で2本勝ち。好発進の原動力になると、ノースアジア大明桜(秋田)との3回戦は相手の動きに合わせて胴を打ち込み、準々決勝の福岡第一戦も鮮やかな面でそれぞれ1本勝ち。大会優秀選手にも選ばれた「切り込み隊長」の1勝を一丸で守り、2試合とも1-0で競り勝った。
 昨季から主力の大将山口、中堅冨田悠、副将戸田ら、メンバーのほとんどが長崎南山中出身。当時から全国で実績を残してきた選手たちが、日本一を目指して一緒に高校へ進み、次世代を担う中学の後輩たちと同じ道場で心技体を磨いてきた。
 今回はコロナ禍の影響で、大会2週間前まで本格的な練習をできなかったが、それまで選手たちは毎日の15キロ走や素振りを継続。白石監督が「絆の強さをすごく感じた」と感心する団結力を武器に、8強入りを逃した昨夏のインターハイを超える結果を出した。
 今大会、4強入りしたのはすべて九州勢だった。決勝も代表戦までもつれたのを考えれば「実力の差は全然ない」(白石監督)。見据えるのは夏のインターハイ。銅メダルを手にした表彰式で、主将の山口が胸に誓った。「次は一番に長崎南山の名前を呼ばれたい」

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