全国高校選抜大会 ソフトボール男子 大村工3年ぶり頂点 最多8度目V

全国高校選抜大会ソフトボール男子最終日の29日、長崎県代表の大村工が3年ぶり8度目(2020年は中止)の優勝を飾った。決勝の5回裏、山本(中央)の満塁本塁打に盛り上がる大村工の選手たち=岐阜県各務原市総合運動公園ソフトボール場

 全国高校選抜大会は29日、各地で5競技が行われ、長崎県勢はソフトボール男子の大村工が決勝で鹿児島工を7-0の五回コールドで下し、3年ぶり(2020年は中止)に日本一に輝いた。優勝8度目は大会最多記録。
 大村工は準決勝も秩父農工科(埼玉)に20-1の五回コールド勝ち。初回の中村の満塁弾をはじめ、上野、山本、宮津に一発が飛び出すなど、終始快音を響かせて毎回得点した。
 決勝はエース遠藤が5回参考ながら無安打無得点試合を達成した。打線は四回まで相手左腕にゼロに抑えられたが、五回に四球を挟んで長短6安打を集中。山本の左中間満塁弾などで一挙7点を奪って勝負を決めた。
 県勢はこのほか、レスリング個人125キロ級の片岡拓海(島原工)が5位に入った。
 30日は名古屋市でソフトテニスを実施する。

◎遠藤 打線の爆発呼ぶ好投

 準決勝、決勝いずれも五回コールド勝ちと強烈な印象を残して日本一を奪回したソフトボール男子の大村工。1回戦から難しい相手が続いた中、久々の対外試合をかみしめながら修正を重ね、最後は投打で圧倒した。「1試合ずつ成長してくれた。うちの本当の強さは大会最終日だなと感じた」。納冨監督は言葉に実感を込めた。
 攻撃は準決勝で毎回の大量20得点、決勝は0-0の五回に一挙7得点。チームの伝統でもある堅実な「たたき」の技術を絡めながら、一発で突き放す爆発力も披露した。
 その打線に火をつけたのは、エース遠藤を軸にした高い投手力だった。大会前から決めていた通り、準決勝は宇土、岡、太田の1年生3人の継投で遠藤を温存。左足首のねんざも気になっていた遠藤だが「おかげでベストな準備ができた」。昨年、先輩たちが敗れた鹿児島工への雪辱戦ともなる決勝に全力を注いだ。
 結果は初回を3者連続三振で好発進し、5回参考ながらノーヒットノーランを達成。特に低めぎりぎりのドロップは抜群で、来ると分かっていても相手のバットは空を切った。2回戦から準々決勝の途中まで19イニング連続無失点の快投も披露した右腕に、投手育成で定評のある山口総監督は「ボールの質も良くなっているし、長い回を投げるテクニックもついてきた」とうなずいた。
 例年以上に投手陣の層が厚く、下級生の成長も期待される中で「自分がしっかりと手本になろうと思って投げた」と胸を張った新3年生。チームの目標である夏のインターハイと秋の国体を含めた全国3冠へ、その存在感を存分に発揮し、まず一つ目の金メダルを手にした。

今大会計30回2失点と好投しチームを日本一に導いた大村工のエース遠藤=岐阜県各務原市総合運動公園ソフトボール場

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