作品展示やコンテスト 動画を公開中 若手の発表、交流の場「アートミュケーション」

オンライン会議で、CGによる仮想スタジオを舞台に柿田委員長(左)の司会で意見交換する若者

 長崎県の若手アーティストらがインターネットを活用して文化芸術活動を発表、交流するイベント「NAGASAKI Artmucation(アートミュケーション)」が3月6日、長崎市内で開かれた。地元企業などでつくる実行委(柿田紀子委員長)と県の共催。イベントの様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」で当日生配信され、動画は継続して公開されている。
 ■ネット上で発信
 アートミュケーションはアートとコミュニケーションをかけ合わせた造語。新型コロナウイルス禍でアート作品や舞台芸術の発表機会が減った若者らを支援しようと初めて企画。▽アート作品発表▽自由なパフォーマンスを競う「アーティスティックNAGASAKIライブコンテスト」▽長崎の若者の文化活動活性化について語り合うオンライン会議「BAR KATARAI」―の3部門で実施した。
 アート作品発表は水辺の森公園(出島町)の一角で開催。フォトグラファーやイラストレーター、デザイナーら男女5人が、風景写真やポートレート、イラスト、独自のデザインプリントを施したTシャツなどを数点ずつ出品。平らな石の上に並べたり樹木につり下げたりして展示した。

展示した写真を撮影するカメラマンの傍らで作品について解説する有川さん(右)=長崎水辺の森公園

 実行委は作品を1点ずつ撮影し、それぞれの作者が傍らで制作過程などを解説する動画を制作、公開している。長崎のまちなかを撮った写真5点を展示した長崎大生、有川慎吾さん(21)は「ネットを通じて多くの人に作品を見てもらえるとうれしい」と話した。
 ■MVなど20作品
 ライブコンテストは参加アーティストが事前収録したミュージックビデオ(MV)やダンスの動画、書、写真など計作品を、コンピューターグラフィックス(CG)による仮想スタジオで紹介。本県出身の映像監督・写真家、小野直樹さんらが審査した。東彼川棚町を拠点に活動するアイドルユニット「クワガタキッズ」のMV「あの白い紫陽花(アジサイ)」が最優秀賞に輝いた。
 「BAR KATARAI」には、地元で写真や絵画など文化芸術活動に取り組む大学生や若い社会人ら男女6人が参加。企業コンサルティングなどを手掛ける企業「D.M.P LABO」(長崎市)代表の柿田委員長が司会を務め、仮想スタジオとそれぞれの自宅などをオンライン会議システムでつないだ。
 ■「経済優先」指摘
 参加者は「今の長崎どう思う?」「これからの長崎について…」のテーマで意見交換。「住民に新しいものを受け入れる免疫がない」「経済優先で文化活動が軽んじられているようだ」などと指摘。「若者が気軽に趣味の活動を発表できる場がほしい」などの提言もあった。
 イベントの動画はユーチューブの「NAGASAKI Artmucation」公式チャンネルで視聴できる。


 ※青春WINGウェブページ「記事のおまけ」で、アート作品発表に参加したアーティスト2人のインタビュー動画を後日公開予定です。

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