リン離脱のホワイトソックス ベテラン右腕・クエトとマイナー契約

先発ローテーションの中心的存在であるランス・リンが右膝の手術で少なくとも4週間を欠場する見込みとなったホワイトソックスが早速補強に動いた。「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、ホワイトソックスはジャイアンツからFAとなっていた36歳のベテラン右腕ジョニー・クエトとマイナー契約を結ぶことで合意。現時点ではビンス・ベラスケスやレイナルド・ロペスがリンの代役候補に挙がっているが、クエトには速やかに調整を行い、早くメジャーに合流することが期待される。

クエトは昨季ジャイアンツで22試合(うち21先発)に登板して114回2/3を投げ、7勝7敗、防御率4.08、98奪三振を記録。2015年12月にジャイアンツと6年1億3000万ドル+球団オプション1年の大型契約を結び、移籍1年目こそ18勝5敗、防御率2.79、198奪三振の好成績をマークしたが、それ以降は相次ぐ故障に悩まされ、1度も規定投球回すらクリアできなかった。そのためジャイアンツは球団オプションの行使を見送り、クエトはFAに。ホワイトソックスがリンの故障で先発投手の補強を必要とするなかで、クエトはFA市場に残った先発投手のなかではベストの選択肢だった。

「ESPN」のジェフ・パッサン記者によると、クエトがメジャー昇格を果たした場合の年俸は420万ドル。これがメジャーで過ごした日数に応じて日割りで支払われるという。また、ローゼンタール記者は今回の契約にオプトアウトの権利が含まれていることを伝えており、クエトは定められた期日までにメジャーへ昇格できない場合、再びFAになるためにオプトアウト権を行使することができる。

今季のホワイトソックスは強力投手陣を擁していたが、クレイグ・キンブレルをAJ・ポロックとのトレードでドジャースへ放出し、直後にギャレット・クローシェのトミー・ジョン手術が決定。さらにリンまでも故障で欠くことになり、先発、ブルペンとも一気に層が薄くなっていた。依然としてア・リーグ中部地区の本命であることに変わりはないが、投手陣の出来次第では思わぬ苦戦を強いられることになるかもしれない。

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