海底の様子リアルに 元寇沈没船の模型展示 松浦市役所で8日まで

鷹島沖で2011年に発見された元寇の沈没船の10分の1サイズの模型=松浦市役所

 長崎県松浦市は、同市鷹島町沖で発見された元軍沈没船(1号沈没船)の10分の1サイズの立体模型を作成し、市役所1階ロビーに展示している。8日まで。その後同町の市埋蔵文化財センターに常設展示する。今秋予定している元軍船の木製いかり引き揚げを前に、元寇遺跡の保存、活用に向けた世論喚起が目的。
 沈没船は2011年に発見。船底を支える全長約12メートルの竜骨(キール)や外板、船体内部を仕切る隔壁板などが見つかっている。沈没船が発見された区域は12年に、海底遺跡としてわが国初の国史跡に指定された。今年は指定から10年の節目の年でもある。
 模型作成は、昨年度の国の文化財活用に関する補助金を利用し、沈没船の3D画像のデータを3Dプリンターで出力して作成した。海底に横たわる元軍船の構造や、周囲の地形までリアルに再現されている。事業費は約290万円。
 ロビーには元軍が使用した武器「てつはう」の実物や模型も展示されている。


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