山北・洒水の滝、観瀑台が復活 落石で封鎖、18年ぶり一般公開始まる

新たに「洒水の滝」に設置された観瀑台=山北町平山

 日本の滝100選にも選ばれている景勝地「洒水(しゃすい)の滝」(神奈川県山北町平山)に新たな遊歩道と観瀑台(かんばくだい)が完成し、8日から一般開放が始まった。

 2004年の落石事故以来、見学ルートが封鎖され観光客も激減。69メートルの高さから落ちる名瀑を間近に見られる観瀑台の復活を18年間、待ち望んでいた地元関係者は「ひとときの安らぎを得る癒やしの場となれば」と期待を寄せる。

 洒水は密教用語で身を清める水を意味する。酒匂川支流の滝沢川から流れ、古くから相模国最大とされた滝は鎌倉時代の僧・文覚が100日間、滝に打たれる荒行を積んだ地としても言い伝えられている。

 滝つぼ付近から水しぶきを受けながら滝を見上げられる観瀑台が設けられ、過去には年間数十万人の観光客が足を運んだ。しかし、04年に立て続けに発生した落石事故でベンチや遊歩道の階段などが壊れて閉鎖。観光客数は以前の4割程度まで激減した。

 地元関係者らが13年、町に遊歩道再整備を要望。県と町が総事業費3億5千万円をかけて整備した新たな観瀑台は地上40メートルから滝を見下ろし、全長118メートル、226段の遊歩道でつながる。

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