世界に存在する核兵器の数をドット（点）で表現した2021年8月9日付の長崎新聞平和企画広告が、アジア最大級の「アジア太平洋広告祭（アドフェスト2022）」で銀賞を受賞した。同広告祭での本紙広告の受賞は2年連続。
7日発表された。「コミュニケーションメディア＆出版物」部門で銀賞に輝いた他、地域の価値観を体現した作品に贈る賞も獲得。「ダブル受賞」となった。
受賞作は長崎新聞社と電通、電通九州長崎支社が企画制作。見開き紙面を世界の核保有国が持つ1万3865発の核兵器の数だけ黒色のドット（直径約2ミリ）で埋め尽くし、1945年に広島と長崎に投下された原爆は赤色の二つのドットで表現した。
もう1ページには広島と長崎の爆心地の写真を掲載。核兵器が存在し続ける限り消えない使用のリスクに対し「私たち全員が当事者」と訴えた。
責任者を務めた長崎新聞社東京支社の福岡一磨営業部長（47）は「被爆地からのメッセージに目を向けられていることはうれしい」。企画立案に携わった長崎市のクリエーティブディレクター鳥巣智行さん（38）は「ウクライナ情勢で使用のリスクが高まる中、一人一人が当事者というメッセージに共感が得られたのでは」と話した。
この広告は、アジア太平洋地域最大級の広告フェスティバル「スパイクスアジア」でも「印刷＆出版」部門で銅賞を受賞した。
本紙では、被爆75年の2020年8月9日付で、平和公園の石だたみを原寸大で再現し、本紙全体を包んだラッピング広告がアドフェスト2021で銅賞を獲得している。
