神奈川・伊勢原の「茶加藤」販社が倒産 創業300年近く 代表死去

 帝国データバンク横浜支店によると、創業300年近い老舗の茶販売業者、茶加藤(神奈川県伊勢原市)が11日までに、横浜地裁小田原支部から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約4億4800万円。今年2月に10代目が死去し、3月に事業を停止していた。

 同社は1728(享保13)年創業。「茶加藤」のブランドで緑茶や煎茶を販売していた。根強いリピート客を獲得し、一時は伊勢原、秦野、平塚などに店舗を展開。通販や企業への訪問販売も手掛け、2002年1月期には売上高約8億円を計上した。

 しかし、中元や歳暮商戦での需要低下に加え、低価格帯の他社製品との競合に苦戦し、直近の売上高は約1億1千万円にまで減少。不採算店舗の閉鎖などで経営改善に努めたものの、代表が亡くなり、後継者不在で事業継続が困難になったという。

 同支店によると、一部の店舗については、別の事業者が「茶加藤」の店名を引き継いで運営を継続しているという。

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