平和公園に響く”反戦歌” 被爆3世の思い乗せ 露のウクライナ侵攻批判 埼玉の金子さん、長崎のたかゆきさん

ウクライナの人々に思いをはせ、戦争反対を歌うたかゆきさん(左)と千夏さん=長崎市、平和公園

 「OK,YOU GO GIRL(さあ、立ち上がろう)」。夕暮れ時の平和公園(長崎市松山町)に反戦歌が響く。歌うのは、埼玉県在住の金子千夏さん(21)と同市のミュージシャンたかゆきさん(45)。2人は被爆3世。音楽活動を通じロシアのウクライナ侵攻に反対している。
 7日午後6時。2人は平和祈念像前に座り、たかゆきさんのギターに合わせ、千夏さんがラップ調の歌を乗せる。曲のタイトルは「戦争反対OK」。2分半のオリジナル曲で、「戦争反対OK、核兵器反対OK」とストレートな歌詞が印象的だ。
 作詞は千夏さんの母で同市出身の順子さん(57)=神奈川県在住=。両親は被爆者だ。歌詞では「右手の天を指すのは原爆の脅威。左手の天を受けるのは平和の象徴」と祈念像に込められた意味に触れ、核兵器の恐ろしさや平和の大切さを発信している。
 金子さん親子は1月下旬、順子さんの仕事の関係で訪れ、長崎に滞在。その後、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が起きた。いてもたってもいられず、順子さんが歌詞を書き、知人のたかゆきさんに作曲を依頼。3月中旬から平和公園や水辺の森公園(常盤町)などで歌い始めた。
 ウクライナの人々に思いをはせるように、時折空を見上げながら歌う千夏さんと、たかゆきさん。千夏さんは「母の思いが込められた曲。これからも歌い続けたい」。2人は今後もしばらく、長崎で活動を続けるという。


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