副知事に就任 平田修三さん(60) 仕事の「成果」に焦点

平田修三副知事

 〈1日付で副知事に就任した。2月の知事選で初当選した大石賢吾知事が任命。39歳の全国最年少の知事をどう支えるのか注目される〉

 -県教育長の任期途中で副知事に任命された。
 改めて大きな責任を伴う立場になる。ただ、どんな立場であれ、県民生活にプラスの成果を生み出せるかどうかが重要。目の前の課題に一つ一つ誠実かつ柔軟に取り組みたい。県の仕事の先にある「成果」に焦点を当て、組織の縦割りや自前主義を越えて、県庁内外の力を結集するつなぎ役になりたい。

 -知事と職員のパイプ役としても期待される。
 産業構造の転換や多様性の尊重など社会は大きく変化しており、行政も変わらなければならない。本県の将来像をどう描くのか、県という組織が知事とビジョンを共有することが大事。従来の施策または施策の進め方、その結果を振り返りながら成果につなげることが、知事を支えることにもつながると思う。

 -県の組織としての課題は。
 繰り返しになるが、成果を意識することが縦割り意識の改善などにもつながる。職員は現場の声を聞き、客観的なデータを見て、目指すべきビジョンを理解し、議論を十分にし、現状を変革する意欲を持ってほしい。何を始めるかだけではなく、何をやめるかも考えなければならない。施策の一層のスピード感や情報発信力も求められる。

 -担当する主な政策は。
 全体の総括に加え、新型コロナウイルス対策、子育て支援、医療・福祉、防災、農林水産業など県民生活の安全・安心に関わる分野が多く、移住、企業誘致など人口減少対策の成否に大きく影響する。ただ、こうした分野の施策は成果が実感しづらく、どう評価するか考えなければならない。

 -コロナは収束の兆しが見えない。県の対策に県民の理解をどう得ていくか。
 感染防止策を徹底しながら、社会経済活動を維持しなければならない。感染拡大の要因、医療への負荷、ワクチン接種の効果などの情報をしっかり発信し、対策の必要性を理解してもらえるよう努めたい。

 【略歴】ひらた・しゅうぞう 佐世保市出身。京大卒。1985年、県に入庁。産業労働部長、総務部長、統轄監、県教育長などを経て現職。2世紀のローマ皇帝で哲人のマルクス・アウレーリウスの著書「自省録」が愛読書。同書の記述「万物は変化しつつある」が座右の銘。


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