ぶっちゃけ欧州から帰ってきてほしい日本代表クラスの5名

欧州はフットボールの本場であり、その華やかな舞台を目指して渡欧する日本人選手は増え続けている。

しかしそこには日本と全く異なる文化があり、容赦のない競争も待っている。その厳しい環境が人間としては成長させるかもしれない反面、短いキャリアにおいては障害になることもあるだろう。

そこで今回は、「現状を考えれば一度日本に戻ってきて立て直してほしい選手」たちを取り上げてみよう。

柴崎 岳

所属クラブ:レガネス(スペイン2部)
今季の成績:30試合2ゴール

才能の宝庫だった“プラチナ世代”を宇佐美貴史と共に牽引してきた柴崎。

鹿島でJリーグ新人王を獲得した後に若干の停滞期を挟んだものの2016年暮れのクラブW杯であのレアル・マドリーから2得点を決め、直後にスペインへ。欧州を席巻する天才MFの姿をサッカーファンは夢見た。

しかしあれから5年。現在もスペインの地に留まり続けているが、テネリフェ(2部)、ヘタフェ、デポルティーボ(2部)、レガネス(2部)と4クラブも渡り歩く流浪のキャリアとなっている。

トップフォームを失っている印象は否めず、日本代表でのポジションも奪われた。レガネスとの契約は2023年夏までだが、一度日本に復帰して再起を図ってはどうだろうか。

北川 航也

所属クラブ:ラピド・ウィーン(オーストリア)
今季の成績:11試合0ゴール

清水エスパルスのユースが輩出した“最高傑作候補”である北川の現状には頭を抱えざるを得ない。

攻守においてスピードとトランジションに優れ、ゴールに向かってダイレクトにプレーできる彼の能力は際立っており、当然のように日本代表にも選出された。

2019年のアジアカップでは何もできなかったが、その経験を糧に同年夏にオーストリアのラピド・ウィーンへ。2022年カタール大会でエースFWになる未来を描いていたはずだ。

しかし加入直後にケガに見舞われるなどの不運が重なった。過去ELのアーセナル戦でゴールしたこともあるが、リーグ戦では3季で僅かに5ゴールとなっている。

契約は2024年6月までだがチームにおける立場は厳しい。Jリーグで失った自信と得点感覚を回復させてほしい。

植田 直通

所属クラブ:ニーム(フランス2部)
今季の成績:26試合0ゴール

南野拓実がエースだった“94世代”は守備のタレントも豊富だった。その筆頭格が浦和レッズのDF岩波拓也であり、植田直通であろう。

彼のプレーであり生き様は昔ながらの九州男児そのもの。粗削りではあるが体のぶつかり合いでは絶対に負けないという信仰にも近い決意を持っており、そのスタイルにおいては日本の頂点にあった。

ただ逆に大柄な選手が当たり前の欧州において、彼の個性は埋もれやすい部分もあるのだろう。ベルギー、フランスで奮闘はしているものの下の世代の冨安健洋らのような成功は収められていない。

日本代表でもセンターバックの4~5番手とワールドカップ出場は当落線上だ。契約は来夏までだが所属するニームは巨額の負債を抱えており、日本への復帰も考えていいのではないだろうか。

食野 亮太郎

所属クラブ:エストリウ(ポルトガル)
今季の成績:9試合1ゴール

強気なドリブルからの強烈なシュートが魅力で愛称は“浪速のメッシ”。ガンバ大阪での活躍でマンチェスター・シティに電撃移籍した逸材は、東京五輪の「10番」も期待されるほどの逸材だった。

しかし最初のローン先であるスコットランド・ハーツでは一定の結果を残したものの、その後のローン先であるポルトガルでは苦戦。東京五輪への出場を逃して以降はその名前も聞かれなくなっている。

まだ23歳。年齢的には一番試合に出ていなければならない時期であるが、今季は出場機会すらままならない状態が続いている。

彼の場合、シティへの移籍決定が早かったためにそもそも多くの経験を積めているわけではない。それだけに今は一度日本に戻って場数を踏むのもいいだろう。

川島 永嗣

所属クラブ:ストラスブール(フランス)
今季の成績:1試合0ゴール

本田圭佑、香川真司、岡崎慎司らに戻ってきて欲しい想いもあるが、ここではあえて彼の名前を挙げたい。

4年前のロシア大会は「正GKの変更」を叫ばれる大逆風のなかで活躍しベスト16入りに貢献。しかしその後もフランスでの出場は限られており、今季もストラスブールでの出場は1試合しかない。

昨今Jリーグでは外国人GKの活躍が目立っている。しかしたった1つしかないポジションに外国人を使うことで日本人選手の育成を阻害しているのではないかという議論もある。

【写真】日本代表、2022年にピークを迎えていなければならなかった10名

本人は欧州に残ることに拘りがあるようで昨夏にはクラブと2年契約を延長しているが、そろそろその豊富な経験を日本の若手に伝えてもいい頃だろう。

© 株式会社ファッションニュース通信社