今後も市民・地域守る 災害に強い地域づくり決意 上越地域消防事務組合発足50周年記念式典

 上越地域消防事務組合の発足50周年記念式典が1日、上越市藤野新田の上越地域消防局で開かれた。県や上越、妙高両市の行政、消防関係機関から約60人が出席。半世紀にわたって地域の安全、安心を支えてきた先人たちをたたえるとともに、火災や激甚、頻発化する自然災害に対応していくことを誓った。

式典には約60人が出席。半世紀にわたる先人たちの取り組みをたたえ、今後も火災や自然災害に対応していくことを誓った

 昭和47年5月1日、上越地域の19市町村(当時)により同組合が発足。平成17年に新たな上越、妙高両市の誕生に伴い、現在の2市による組合構成に。同31年に日本海側で初となる、エネルギー・産業基盤災害即応部隊(ドラゴンハイパー・コマンドユニット)を配備。令和2年に上越地域消防局、上越消防署の新庁舎が完成。消防本部を消防局に名称変更し、地域の防災拠点として、また、災害派遣に対応する拠点として、より強化された。

 発足以降は、平成7年の阪神淡路大震災や7・11水害、同16年の新潟・福島豪雨や中越地震、同23年の東日本大震災、同28年の糸魚川大規模火災など、地域内外や災害派遣を問わずに活動。取り組みでも、令和元年に火災調査シミュレーションアプリ、同3年には外国人対応消防指導教材映画が相次いで消防庁長官表彰を受けるなど、高い評価を受けている。

長年の尽力・協力をたたえ、管理者の中川上越市長から8団体(1団体欠席)へ感謝状を贈呈

◇8団体に感謝状 記念映像を上映

 式典では、消防設備協会や防火管理者協会など、8団体に感謝状が贈呈された。50周年記念映像の上映では、管内各署でつくる制作委員会が音楽から自作した11分半にわたる映像を公開。郷土愛から人命救助への思い、使命感などを描き、全職員による「上越消防の歌」で締めくくった。

 組合管理者の中川幹太上越市長は式辞で、「地域の安全と安心を支え、災害に強い地域づくりを進めることが求められている。先人が築いてきた50年にあらためて感謝し、人々の生活を守り、地域のさらなる発展に寄与する大きな使命の下、時代の変化に対応しながら消防、救急体制の強化を図り、新たな歴史を刻んでいく所存」と述べ、出席者に今後も協力を呼び掛けた。

 池田聡局長は、昨今の自然災害や新型コロナへの対応などを踏まえ、「近年、社会の変化や技術革新により、災害は複雑化、多様化し、自然災害の頻発化、激甚化でさまざまな課題も顕在化している。市民の身体、生命、財産を守る責務を果たすため、良き伝統を継承しつつ新たな視点と想像の精神を持ってこれからの時代を切り開き、職員一丸となり、地域住民の期待と信頼に応える力強い消防を目指していく」と誓った。

◇秋まで管内で関連事業実施

 上越地域消防局管内では11月30日まで、50周年記念事業を行う。9月には同局で消防イベントを予定している他、各署、分遣所では火災予防週間などに合わせて広報活動の実施や、周年記念パネルの巡回展示も計画している。今回上映された記念動画は、同局ホームページや広報活動などで上映するという。

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