「国違っても気持ち同じ」 日米露の高校生 核廃絶へ意見交換 長崎東高3人も参加

グループに分かれ意見交換する参加者ら=長崎市立山5丁目、長崎東高

 核兵器のない世界に向けて日本、米国、ロシアの高校生が意見を交わす会議「クリティカル・イッシューズ・フォーラム(CIF)」が1日、オンラインで開催され、長崎県立長崎東高の2年生3人が参加した。
 米カリフォルニア州のジェームズマーティン不拡散研究所主催。今年は日本5校、米国5校、ロシア2校の計12校が参加した。
 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の和田征子事務局次長が講演した。和田さんは、1歳の時に長崎で被爆。母の被爆体験とこれまでの活動を語り、ロシアのウクライナ侵攻で核使用のリスクが高まっていることには「無力感があるが、核兵器廃絶を諦めるという選択肢はない」と力を込めた。
 長崎東高のフォーラムへの参加は4回目。3人は3月中旬から長崎の被爆遺構と高校生の活動を紹介する1分間の動画を作成し提出。この日はグループに分かれ、日米ロの学生と英語で意見や感想を言い合った。長崎の平和教育について質問を受け、小学生の時から被爆遺構を巡るなどしてきたと答えた。
 同校の溝口理子さん(16)は「和田さんのように被爆した記憶がなくても、知っている情報があれば劣化させないように伝えないといけないと思った。海外の人の関心の高さに驚いた。気軽に意見交換していきたい」と今後の交流に期待を寄せた。小林ひよりさん(16)は「被爆地が(核兵器廃絶の)先頭に立つことが大事だと再確認した」、橋本果林さん(16)は「国が違っても核廃絶に向けた気持ちは同じだと分かった」と話した。


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