たびら昆虫自然園 開園30年 関係者ら節目祝う 写真家・栗林さん特別講演も

式典でお披露目された「昆虫戦隊ガイドマン」を代表して、あいさつする森隊長(左から4人目)ら=平戸市、たびら活性化施設

 長崎県平戸市田平町の「たびら昆虫自然園」の開園30周年記念式典(実行委主催)が4月30日、同町のたびら活性化施設であり、約60人が節目を祝った。同園の整備に携わった同町在住の世界的昆虫写真家、栗林慧さん(83)の特別講演もあった。
 同園は、県が栗林さんらの提案などを基に里山の環境を再現した観察ゾーン、展示施設などを整備。その後、旧北松田平町に譲渡され、屋外体験型施設として1992年7月にオープンし、子どもらに昆虫採集の要領や観察の仕方などの情報提供を続けてきた。
 式典では黒田成彦市長が「新型コロナウイルス禍は続くが、一部施設改修を計画している。この先も愛され、親しまれる施設に飛躍することを祈念する」と祝辞を述べた。園内の花壇整備などに長年取り組む泊孝吉さん(96)に感謝状を贈呈。西澤正隆初代園長、今村武施設長が園の歩みや現在の取り組みを紹介した。
 また西澤初代園長ら来場者を案内する解説員9人をテレビ番組のヒーローに見立てた「昆虫戦隊ガイドマン」としてお披露目した。インターンシップとして受け入れた県立大生が発案。隊長を務める森幹夫解説員が「各自、経験を生かして研修を重ねてきた。新たな名前に恥じないよう精進したい」とあいさつした。
 最後に栗林さんが「撮影(秘)エピソード」と題して講演。自身の写真、動画を解説しながら、市販品を解体、研究して虫の目線で被写体と背景の両方をはっきり写せるレンズを開発した経験と国内外での撮影体験を紹介。「皆さんの手助けを借りながら良い昆虫園にしたい」と抱負を述べた。

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